写真は時のある一瞬を切り取って静止させているものだが、その反面、時とともに生き続け、まるで生きているかのように年を重ねているものでもあるのだ。(大橋富夫)
写真を楽しく表現し、体験する神楽坂写真塾
大橋富夫氏と一緒にここ数年ずっと辺境の古い集落を旅している。そこで彼の撮影を間近に見ているのだが、被写体に執拗にしかもすばやく正確に迫っていく動きにいつも感心させられている。撮影された写真にもそのスピード感とシャープさがあり、しかも静謐感や気品も漂っている。思いもつかないディテールや構図をさっと切り取って見せてくれることもある。
その大橋富夫氏が神楽坂写真塾の塾長として就任してから7年が経った。塾生のみなさんと一緒に「楽しく写真を撮ってみよう」というスタイルは貫かれている。
膝をつきあわせての講義、スタジオワーク、野外実習、デジタル表現、展覧会としての発表が織り込まれた写真塾である。(鈴木喜一)



大橋富夫 略歴

三重県四日市市生まれ。
土門拳、林忠彦に師事。
1960年以後、フリーのカメラマンとして活躍。

【写真集・写真著作】
『目でみる精神医学』(文光堂)
『花数寄』(彰国社)
黒川紀章『建築の詩』(毎日新聞社)
『住まいの近景遠景』(彰国社)
『日本の民家・屋根の記憶』(彰国社)
『東京ー変わりゆく町と人の記憶』(秋山書店)他。

【賞】
1985年 SPD賞(米国建築専門誌〈Architectural Record〉)
2009年 日本建築学会文化賞

 

塾長●大橋富夫 氏

Photo by Satoru Arichi

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