
| まちに飛びだした美術館in神楽坂 |
1999年7月4日(日)、東京都新宿区神楽坂で、「まちに飛びだした美術館」の一環として路上に紙を敷いて絵を描くイベントがおこなわれました。
昨日までの荒天が嘘のように、青空が広がったこの日。
タウン誌『ここは牛込、神楽坂』発行元の牛込倶楽部と、アユミギャラリーの共同企画のもと、ボランティアスタッフ、商店会の全面的な協力によって、この日、13時50分から、大久保通りの交差点から上下にロール紙の敷き詰め開始。
一本数十キロのヘビーなロール紙を四人組の男性達が懸命に坂を登りながらころがします。続いて両端を止めるガムテープ部隊が後続。更に「ここに自由に絵を描いてください」との呼びかけシールを張るメンバー。
頭上では参加を呼びかけるアナウンスと音楽が流れます。
約15分かかって、飯田橋から神楽坂駅までの約700メートルが白い紙で結ばれました。
沿道で見守っていた人たちは「いったい何が始まるのか」といった顔。それでも、事前の折り込みチラシや商店街の呼びかけなどで情報を知った子どもたちの「もうまちきれない」といった表情もちらほら。
少しづつ人の姿が多くなります。
各所に用意された絵の具セットや、各自もちよった道具を手に、すぐにあちこちでスケッチがスタート。
特にこどもたちは、大胆な作品を次々に生みだします。筆にあきたらず、手や足に絵の具をつけて「ボディペインティング」に挑戦する子も。また、楽しさにつられるように、若いカップルや神楽坂在住のお年よりも、次々に絵筆を握りました。
他にも、ちょうど神楽坂通りの真下を通っている営団地下鉄の職員が制服のまま(!)参加したり、ネコの足に絵の具を付けて歩かせた人、毘沙門近くで即席ステージを作って演奏しているジャズセッションをそのままロール紙上にスケッチしてしまうセミプロ的な男性、季節にぴったりの紫陽花の花を一面に描いた女性……と、どこでも一心に絵を描く姿が見られました。

「紙なんか敷いても描いてくれる人がいるだろうか……」とのスタッフの心配をよそにみるみる神楽坂は人並みで埋まり、14時40分時点で約1200名をカウント。一部風によって紙がやぶれるハプニングがありましたが、終了時間の15時には、紙はほとんどが絵でうめつくされました。
15時、合図とともに、いっせいにロール紙を回収。絵の具がついた路面の清掃にかかり、16時には撤収を完了しました。
参加者は、「こんなに大胆に表現することができるなんて初めて知った」「子どもがこんなに生き生きしているのは珍しい」「なんだか昔のまつりのようなハレの空間みたい。いつか子どもたちが今日のことを神楽坂の思い出として思い返すことができたら……」と口々に語っていました。
一方で、「描いた絵がなくなってしまうのは残念」「用意した筆が少なすぎた」という声も。でも、どれも「来年もぜひやってほしい」という言葉を添えて下さいました。
まさにアートが「まちに飛びだした」一時間、ちょっと名残惜しい思いを梅雨の晴れ間に残しながら、なんとか無事に幕を下ろすことができたのでした。
御協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
【Y.W】
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