今春から秋まで

アユミギャラリー中庭にツリーハウスが出現

 今春3月中旬から、樹上の家・ツリーハウスがアユミギャラリー中庭に出現しました。

 庭の欅(ケヤキ)の木を囲むように、地上2メートルほどの高さに浮いた杉の小屋。栗駒山系の厚い杉板を三角形に組み上げ、欅の枝で葺いた屋根。表面は木酢液の渋い色合い。心地よく風を誘い込む蔀(しとみ)戸。一面にはられたデッキから、急なハシゴをたどって階上に昇ることができます。

 これは「眠る」をテーマとした展示の一環として、リビングデザインセンターOZONEとアユミギャラリーを結んで制作されたもの。ジャパンツリーハウスネットワークの小林崇氏と鈴木喜一の協同設計で、9月30日まで展示する予定です。
 例年この時期には中庭に庵を建てています。欅游庵1号・2号(アニメが見られます)に続く3号、今回は樹上の家となりました。
 7〜8月、ここを会場に「神楽坂ツリーハウス・セミナー」が開催されます。詳しくはこちらをご覧ください。

←東側から見上げたツリーハウス。


 木を見て触り、遊ぶ楽しさ

鈴木喜一(建築家・アユミギャラリー主宰)

 ここ3年、アユミギャラリーの庭に小さな小屋を建てて遊んでいるんです。夏季限定、つまり仮設物です。必ず欅の木を囲ってつくるものですから「欅游庵」と名付けました。最初の1号は方丈の庵ということでシンプルな正方形高床式、2号目はインドネシアの樽型住居をイメージした八角形高床で空に向かって壁体が開いているというもので、とても居心地がよかった。今年の3号は縁あってジャパンツリーハウスネットワークの小林崇さんと知りあい、樹上睡眠の世界をつくろうと、約1.8メートル地上からあげました。まだこの小屋で眠ってはいないんですが、スポンサーのロフティさんから快眠枕をいただきましたので、近々、睡眠実験をしてみるつもりです。
 この小屋を建てるイベントはそもそも、木と遊ぶことから森と家を考えようという主旨のもとに始まったんです。ここしばらく、日本全国の森を訪ね歩く旅をしているんですが、実際に行ってみると、日本の森は外材に押されて危機的な状況にあり、深刻な問題をたくさん抱えていることもわかってくるんです。そこで、まずは木を見て触り、その下で遊ぶ楽しさを体感することから始めようというわけなんです。
 また、僕は神楽坂建築塾という私塾を主宰していて、これからの住まいがめざす方向性とは何か、自然と一体になる魅力とは何か、ということを塾生たちと一緒に考えてみたいと思っているんです。その一つに、山とまちがもっと密接につながればいい、ということがあります。都市の中の自然も見直す必要がある。木と親しみ、木に学ぶ森林教室のような企画も広めたい。山とまちの豊かな関わりを考えたい。そんな基地としての役割も秘かに込められているんです。
 この欅游庵3号(ツリーハウス)は9月30日まで建っている予定です。本格的な秋になって欅の葉が色づく頃になれば、アユミギャラリーの庭はまた元どおりの何もない状態になるのですが、僕はそのちょっと寂しげな風景も実は好きなんです。

【データ】
建物名 ●欅游庵3号(ツリーハウス)
所  在●東京都新宿区矢来町114
     アユミギャラリーガーデン
設  計●鈴木喜一+小林 崇(JTN)
制  作●JTN(ジャパンツリーハウスネットワーク)
企画協力●睡眠文化研究所/ワイルドナビゲーション
木材協力●
くりこま杉協同組合/尾上園
施工協力●
(株)千葉工務店
ワイルド・ナビゲーション

制作風景をごらんください
3月10日 ●3月11日 ●3月12日
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