発行・武蔵野美術大学出版局
A5版 310頁
本体/1,967円
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【本書の紹介】
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2002年春から開講した武蔵野美術大学造形学部通信教育課程の「建築論」のテキストとして鈴木喜一が執筆。最新のワルシャワ紀行のスケッチなどをカラーグラビアに、つくることを主眼とした20世紀までの建築のあり方に警鐘を鳴らしている。また、登録文化財制度や建築再生プロジェクトの実践的なレポートなども掲載。
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【著者の言葉】
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この建築論では新しくつくるという一般的な建築行為に対して、建築をつくらない行為、歴史的なまちや建物を保存し、再生するということに力点をおいて稿を進めています。現在、つくらないこともつくることと同等に立派な建築的創造行為ではないかという思いがあったからです。人間の営みをやわらかく未来につなげたい、過去・現在・未来が混在した、まちと建築の本当の在りようが検討されるべき時代なのだとも思っています。
この本はまた、私にとって特別な感慨もあります。もう大分昔になりますが、私自身が武蔵美の通信教育部で巣立った者でもあるからです。このテキストを導入路として、後進の通信教育課程の学生諸君とともに建築の世界を検証していけることは望外の幸せであり、これからの私の重要な仕事だと考えています。
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