妖艶気焔(ようえんきえん)/坪内二郎

がて自身が現実の中に迎える事になろう霊幻曼陀羅の世界に一足早く入界した。
夢と現実の狭間をあてもなく彷徨い、静寂と言う音を聞き、闇の世界に光を感じ、風の中に宇宙を見た。
ライフワークとして40年間撮影してきた花たちとの会話の中で、互いに許しあえるギリギリの接点を記憶の中に凝縮し表現した。
いま正にこの世で終焉の時を迎え、最後の美を放ちながら霊幻曼陀羅の世界に入界する一瞬を見た。