第十期神楽坂建築塾塾生募集
(2008年度)

 戦後の高度成長期以降、日本が進んできた大量生産・大量消費の社会システムとそのもとでの生活スタイルは、いまや地球環境問題、資源の枯渇、ゴミ処理や各種汚染による健康への被害など、さまざまな局面で大幅な軌道修正を余儀なくされています。
 経済的な側面でも、また人間の生きる場と空間という意味でも、建築は常に時代の姿の反映でありました。今までの、古いものを一掃し、最新技術を謳歌し、表面的なきれいさや豪華さを求める家づくり・まちづくりのあり方では、これからはもうたちゆかないという危機感を、いまや多くの人びとが共有し始めたといえるでしょう。
 建築と生活の新しい座標軸をどこから見いだすか。そのカギは「古い集落とまちにある」と私たちは考えます。時間の蓄積を体感できる場を慈しむ感性、人間の手技を大切にし、お金だけでは計れない住まいの価値を自らの目と手でつかむこと。「ほんとうの豊かさ」を、建築という共通の土俵の上から、多角的に、そして実践的に学んでいきます。さらに古民家や近代建築、伝統的建造物群保存地区の見学等を通して、流行に左右されない確かな生活の実感をつかみたいと思います。今期は「住む場所の根源を探る」という通年テーマを設定しました。第九期までのテーマをベースにより、重層的に学んでいきたいと思っています。

(鈴木喜一・神楽坂建築塾塾長)


募集要項

塾長紹介

期間: 

2008年5月〜2009年3月

日時

月2回 全20講座 
原則 毎月第二土曜日の夜は坐学
   翌日の日曜日はフィールドワーク

内容

●坐学は各月の講師による講義
●フィールドワークは首都圏を中心とするまち歩き
●フィールドワークではスケッチ及び実測を行う
●夏期合宿(『オークヴィレッジの仕事を見る』を予定)
●修了制作及び修了論文を2009年3月に各自発表
●番外講座 (国内随時/希望者)
●海外ツアー(中国の集落探訪/希望者)

費用

入塾金10,000円+受講料68,000円
(受講料にはテキスト【※】および正規カリキュラムで配付されるすべての資料代を含む)
【※テキストは鈴木喜一著『まちと建築を再生する』を使用します 】

場所

アユミギャラリー高橋ビルB2(地図jpgpdf)および野外

宿泊施設

地方から参加する塾生のために古い木造の寮(素泊1500円)が神楽坂にあります。

定員

50名

対象

18歳以上

講師
(敬称略)

鈴木喜一(本塾塾長・武蔵野美術大学講師)
平良敬一(本塾顧問・建築思潮研究所代表)
保坂陽一郎(建築家・武蔵野美術大学名誉教授)
大橋富夫(写真家)
青山恭之(建築家・武蔵野美術大学講師)
泉幸甫(建築家)
川口通正(建築家)
上野英二(オークヴィレッジ建築研究所)
齊藤祐子(建築家)
正田徹雄(建築家)
田中敏溥(建築家)
趙海光(建築家)
對馬英治(建築家・けんちく工房邑)
楢村徹(建築家・岡山古民家再生工房)
渡邉義孝(建築家)  他

入塾まで:

申込→書類選考→入塾許可→学費入金→入塾

申込方法

申込用紙に、必要データおよび入塾志望動機(600字以内)を書き込み、80円切手を添付した封書(長形3号)を同封の上、神楽坂建築塾事務局宛に郵送してください。申込用紙一式はこちらからダウンロードできます。

書類選考

塾長・顧問・事務局による書類選考を実施します。

お支払い:

選考通過者にはお支払い方法を選考結果と共にお知らせいたします。ただし、一度納入された入塾金および学費その他の費用は返却されません。

事務局

アユミギャラリー神楽坂建築塾
〒162-0805 東京都新宿区矢来町114
TEL/FAX 03-3269-1202

  

▲2007年の8月合宿講座/北条の家

鈴木喜一略歴

 

 

1949年静岡県生まれる。建築家。『住宅建築』編集顧問。武蔵野美術大学講師。1984年、鈴木喜一建築計画工房開設及びアユミギャラリーを開廊。1993年〜94年、国立中国美術学院研究員。1999年より神楽坂建築塾事務局代表。2007年度から本塾塾長。

 

顧問紹介

平良敬一氏略歴

1926年沖縄に生まれる。 1949年東京大学第一工学部建築学科卒業。 『国際建築』 『新建築』『建築知識』 『建築』『SD』等の編集者を経て 1974年建築思潮研究所 設立。 『住宅建築』創刊。現在、同誌編集長。 1997年日本建築学会賞受賞。 北海道工業大学客員教授。1999年より本塾塾長。2007年度から本塾顧問。

年間カリキュラムはこちらから

Q&A

Q……入塾される方は、どんな方がいるのでしょうか。

A……建築家志望者・建築愛好家・工務店経営者及び勤務者・林業家・各職技能者・ 行政関係者・まちづくり運動家・文化活動者 から、建築関係でない会社員や主婦まで幅広くの人々が建築塾で学んでいます。建築が好きな人、まち歩きが好きな人、スケッチが好きな人など、参加される理由も様々です。

Q……これまでの受講生の平均的な年齢はどのくらいでしょうか?

A……下は18歳から上は70歳代まで幅広い年齢層です。平均年齢は30歳前後です。

Q……地方から参加したいのですが。

A……地方から参加する塾生のために古い木造の寮(素泊1500円/チルチンびと8号「古い家を住みこなす」参照)があります。

Q……まち歩きはどんなことをするのですか。

A……講師の話や地元の人から話を聞いたり、まち歩きをしながら自分の気に入った風景・建物・ディテールをスケッチしたり実測したりします。


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