AYUMI GALLERY

豊平館・5月

高橋 美千代


現存が少ない北海道の洋風建築も、開拓の方策をアメリカに学んだ明治期からの歴史を刻んでいる。
当時蝦夷地と呼ばれた日本にとっての”新大陸”、寒さ厳しい原野へ渡ったのはフロンティアスピリッツを抱いた開拓者ばかりではなく、過酷な労働を強いられた囚人も多かったと聞く。様々な人達が、北の大地におとずれる「春」をどんなに待ち焦がれたことだろう・・・。
季節のはじまりを感じる風景の中で、いつの間にか私の知らない遠い記憶がぼんやり交錯していた。そして古称の蝦夷は、先住のアイヌを意味する言葉であることも。
新緑につつまれる5月、豊平館のブルーがやさしい色となって新たな春を告げる。

建物名:豊平館
竣工年:1879
建築家または棟梁:安達喜幸(開拓使工業局営繕課)
所在地:北海道札幌市

 

近代建築史への旅・スケッチ展 vol.8
仮想展覧会

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