AYUMI GALLERY

| 幸せの館 白鳥 健二 |
| JR鎌倉駅の目の前を横断する踏切がある。この踏切のすぐ脇に「館」は立っている。立っているというよりは自らのシカバネを周辺に晒しながら辛うじて存在していると言ったほうがよい。駅のホームの端と目と鼻の先にあるので、毎朝の通勤時などは大勢の人の目に触れている。その光景を脇で見ていると痛々しいというよりは残酷である。不思議なことに誰も見て見ない振りをしているので一層残酷に映る。そういう私も見て見ない振りをしている一人なのだろうかと思うとイライラは更につのる。「文化都市鎌倉の行政は一体どうなっているんだ!」と叫んでみても何も解決しない。 ついこの間、このシカバネをスケッチしていたら屋根の破風のあたりからハトが出入りしていることに気が付いた。そうか、ハトがこの建物を愛用しているのである。ハトにとってはさぞかし「幸せの館」なのだろう。 |
|
建物名:不詳 竣工年:不詳 建築家または棟梁:不詳 所在地:神奈川県鎌倉市 |
近代建築史への旅・スケッチ展 vol.8
仮想展覧会
次の絵を見る
目次に戻る