AYUMI GALLERY

正文堂書店

坂本 達也


東関東自動車道佐原インターチェンジをおり、香取神宮をすぎ香取街道をそのまま進み旧市街にはいると、あたかも時が止まってしまったかのような錯覚に陥る。
 まず目に飛び込んでくるのが木造洋風建築「旧三菱銀行佐原支店」である。
ここで車をおり辺りを散策すると、江戸末期から大正初期までの建築物が当時のまま幾つも現存している。そのなかで土蔵造りの建物が静かにその存在を訴えていた。
 明治初期に誕生した本建築物は、その所有者は既に3回変わっているものの、ずっと書店として生きてきたという。機能や書籍の量を思うと書店として生計が成り立つのかといえば決して楽ではないはずである。しかし、書店として街の人々と生きてきた本建築物を誇りに思い、熱心に語ってくれる現在の所有者がいてくれる限り、本建築物は、生まれた当時の姿のままその役目を果たし続けるに違いない。そんななんともいえない優しい気持ちのなかでスケッチできたことに感謝!

 


建物名:正文堂書店
竣工年:不詳
設計者:不詳
所在地:千葉県佐原市

 

近代建築史への旅・スケッチ展 vol.8
仮想展覧会

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