AYUMI GALLERY
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竣工年: |
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喫茶“李白” |
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そうだ、喫茶「きゃんどる」を描いてみよう。そう思いたって、今にも雨の降り出しそうな古書街をよこぎった。神保町を訪れるたび、「きゃんどる」の空間にひたりたくて、なんどもその前を通りすぎたが、蔦におおわれたその扉は、ここ何年か開けられることはなかった。蒸し暑い夏のあいだも冷房はつかわず、風をよびこむ小さな空間。その名前のとおり、うっすらと琥珀色をしたきゃんどるが店のすみにひっそりとたっていた。そのきゃんどるも永遠に燃やされることなく神保町から姿を消した。 |