竣工年：1967年
建築家または棟梁：

所在地：神奈川県
　　　　横浜市

山手十番館
岡田　祥宏

　横浜市の山手地区は、古い洋館がたくさんある街です。山手資料館（1909年）、エリスマン邸（1926年）、えの木てい（1927年）、山手カトリック教会（1862年）など。その一画に山手十番館はあります。
　観光客の多くは、きっとこの建物を明治の近代建築の一つだと思って、見上げては通り過ぎることでしょう。しかし実は、明治100年祭を記念して1967年に建てられた木造西洋館なのです。1階は喫茶店、2階はレストランになっています。洋館が次々と取り壊されていくのを悲しんだオーナーの思いにより、復元が実現したのです。
　山手十番館は、明治・大正に建てられた「本物」の近代建築ではありませんが、「保存」の意味を別のかたちで考えさせられる例だと思い、スケッチしました。