AYUMI GALLERY


スケッチ展WEB展覧会

梅雨の晴間
(旧広島地方気象台)
鉤流 佳典

所在地/広島県中区

竣工年/1934

設計者/伊達三朗 (広島県建築課職員)

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江波山気象館(旧広島測候所)
 昭和 9年(1934) 広島測候所新庁舎として完成
 昭和18年(1943) 広島地方気象台に改称
 昭和20年(1945) 原爆(爆心地より3.7km)により、窓や扉を破壊される被害を受けたが、建物への被害は比較的少なかった。
 昭和20年(1945)-昭和24年(1949)広島管区気象台として利用
 昭和62年(1987) 広島地方気象台は広島地方合同庁舎に移転
 平成 4年(1992) 江波山気象館として一般公開される

 旧広島測候所は広島市南部の小高い山の新緑に囲まれた山頂にある。
 「へ」の字をした建物の頂部に玄関があり、建物の左右は非対称。竹の節を思わせる太い柱の玄関ポーチ、二階窓は段々に迫り出しロココ調の表現主義を彷佛させる。その上方には、縞上に旗竿受けが迫り出し、単調な壁面にアクセントを与えている。
 玄関ホールに入ると、漆喰塗りアーチ型の梁と二重肘木は穏やかなカーブが重なりあって入道雲のよう。
 階段をのぼる。踊場のスチールサッシは屈曲し、原爆の惨状を無言で伝える。
 階段を上り詰め二階から屋上へ。屋上から塔屋の観測塔へは、うろこ雲のような小さなアールで装飾された階段をのぼる。
 塔屋の壁面はタケノコ型にくりぬかれ、そこから梅雨の晴間がうかがえる。
 設計者の遊びごころにふれることができた穏やかな一日だった。