AYUMI GALLERY
2001

スケッチ展WEB展覧会

廃虚は森に還る
大島精錬所

三木 志緒里

所在地/岡山市犬島

竣工年/

設計者

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 岡山のひなびた漁港から一日2,3便の定期船に乗って犬島へ。はやる心を抑えながら島をぐるっと巡っていくと、巨大な煙突が目に飛び込む。突然視界は開け、私は異国の地に足を踏み入れたのか?レンガ造りの崩れかけた煙突郡。小高い陸にピラミッドのように建ち並ぶの銅の精錬工場跡。崩れるままのレンガの窯跡は、青空に鋸の歯を立て建ち並ぶ。
 あの建物は?(以前神家先生が当スケッチ展に出展された) さらに木々を掻き分け先に進むと、またまた別世界が・・・。最後の巨大煙突は、崩れながらも床も壁も建物の形を留めている。滅び行くこの姿に、私は心が震える思いがした。
 木漏れ日の中、たてものと向き合いスケッチを始める。静寂とかすかな蚊の羽音。木々の息ずかいを感じるようだ。この廃墟は森に迎えられ、木々と・土と・草々と同化し、やがて大地に還っていくのか。
 明治建造のレンガ組石造の精錬工場は、まだ自然の循環の中に在った。