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この水彩画展を開催するにあたり、原画とともに版画(リトグラフ)を制作してみようと考えていましたが、友人で株式会社データフォト社長の榎明人氏に「それならば我が社にあるジクレのデジタル出力にした方がいい」と教えられました。彼の工房でスキャニング・色校正・本刷り・紫外線防止のための特殊加工などの制作過程をじっと観察していて、その出力の緻密さとクオリティの高さに驚きました。材質感、色感、耐久力、全てにわたって原画に限りなく近いものだったからです。このジクレ技法によるインクジェットプリントは出力枚数を限定することによって、従来のリトグラフと同等の価値を有するものと考えられています。1800dpi相当の出力解像度によって今までにない色の再現性が可能となり、特にそれは細密さや色調などが重要な絵画の複製などに発揮され、すでにニューヨークのメトロポリタン美術館やイギリスの大英博物館、ナショナルミュージアム等、主要な美術館では新しい版画としての範疇に組み入れられ、多くの作品が収蔵されています。以上の経緯やジクレの実績を鑑み、今回の水彩画展では原画一作品につき30枚限定とし出力することにいたしました。水彩の再現の難しさを克服し、熱心に作業を進めていただいた榎明人氏と技術者の皆様に感謝致します。また、原画をトリミングして若干の加筆したミクスド・メディア(mixed
media)の作品も展示してあります。ご高覧の上、ご意見をいただければ幸いです。
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