|
|
|
|
|
制作を終えて |
|
現代において、音は認知されにくいものになってきた。AV機器が身近に普及し、BGMのある状態がリアルな空間となりつつある。このような状況に危機感をもたなくてよいのか、それが今回このテーマを扱ったきっかけである。 聴覚を頼りに風景を読み取る事において、受け取った情報をイメージするのは必須であり、意義がある。想像力を働かせる作業がかかせない。音を頼りに想像しイメージしたものが、見た目よりも魅力的で本物よりも本物らしいことも、ある。その方が印象的であるかもしれない。そのような可能性を秘めている。 音風景と同時に、静けさにも関心があった。静けさとはどのような状態を言うのか。無音の状況を静けさとは言わないが、しっかりした定義は出廻っていない。 空間内での音の柔軟性は、解り難くもするが、聴き手の意識次第で音風景を多様に読み解く事が出来る。1つの景観から、聴き手次第で無数の音風景がうまれる。 音風景を作りだす事は、多くの場合不自然で人為的な空間演出になり易い。 |