神楽坂建築塾 第四期 修了制作

フランス「ピカシェットの家」へ

  神楽坂建築塾第四期生 関 牧子

2002年5月17日から31日まで、私はフランス旅行に行きました。
一番の目的は「シュヴァルの理想郷」と「ピカシェットの家」を見ることでした。
この二つの建物は、10年以上も前に雑誌で見て以来、ずっと心に残っていて、「いつか見に行きたい」と思っていたのです。
二つとも、建築家ではない、素人が数十年かけて建てた建物です。建築学的には優れたものではないかもしれませんが、作った人の想い、人の気配が存分に感じられます。そんな建物が大好きです。
思っていた以上に、わくわくできて、楽しんでしまった「ピカシェットの家」を紹介したいと思います。

   

「わあ!かわいい!!」目に飛び込んできたのは、色とりどりのモザイクで飾られた小さな家。模様も色もばらばらの小さなカケラが家の壁、道、天井、至るところで美しいモザイクを作っています。これらは陶器や磁器やガラスの、お皿やカップや花瓶のカケラたち。

偶然目にしたこのカケラを見て、「これを使って、家を飾ろう!」と思い立ってしまったのが、Raymond Isidoreさん。職業は、シャルトルの墓地の管理人でした。

 

最初は部屋の壁だけにしようと思ったのに、床、天井、家具、さらには外壁、庭までもに広がりました。
1930年に家を作り始め(飾り始めは1938年)、完成したのは1962年。実に32年の歳月をかけたのでした。

 

ここに収録したものは提出作品の一部です。
参考サイト RAYMOND ISIDORE PICASSIETTE  un piccolo uomo con in testa un grande sogno

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