TOKYO AYUMI GALLERY ART SCHOOL
フランス遠征の旅 2002

団 員 紹 介
鈴木喜一(団長):
静岡県生まれ。神楽坂在住の旅人・画家・建築家。世界各地のまち、建築、人々の生活をくまなく訪ね歩く。しかし旅の計画はいたってアバウト。その突拍子の無い行動は団員の不評を浴びることしばしば。ツアコン酒井を常にハラハラドキドキさせる。ヒコーキの中では何か悪さをしないと気が済まない。その結果スチュワーデスに怒られる。今回の旅のいちおう団長。


諏訪真佐子
美術塾第三期生。一年の半分を神楽坂(魚浅さんと仲が良い)、もう半分をパリ5区で暮すという岸恵子風の謎のおばさん。パリには'69から住んでいるというが、詳しいことは団長もよく知らない。フランス人よりフランス人らしい気質を持つ。歩くのが異常に速い。今回の旅の言い出しっぺ兼パリにおける道先案内人。


西田裕子
呉生まれ。一級建築士で年齢不詳(ねずみ年)。本人はいたって元気なのだが周りの人がいつも「大丈夫?」と声を掛けてしまうほどの疲れ顔の女。しかしツアー中、日に日に元気顔になっていった。いつもはゆっくりマイペースなのだが、帰りの空港でパスポートを一瞬無くした時はさすがに慌てて走っていた。今回の旅ののんびり担当。


原田利江子
ハマっ子。建築塾第一期生。言いたいことはハッキリ言うタイプだが意外と優柔不断。だが、空港のストライキをものともせず、他の団員達を置き去りにして一人でさっさと帰ってしまうほどの行動派。絵巻物を黙々と仕上げる粘り強い側面もある。今回の旅のアンビヴァレント。


仲美恵子
行徳っ子。建築塾研究生。旅先のロンドンから合流。その直前にデジカメを盗られ少々意気消沈してパリに。その到着も一日遅れだったため団長に「なかなかみえない仲美恵子」を連発される。国際ケータイ電話を用意している意外とハイテク派。団長鈴木にしばしばもの申すしっかり者だが、カメラの件があるので今回は旅のうっかり者。


魚谷幸子
千葉っ子。魚谷純子の母。押し花師。とにかく明るい。赤いセーターを素敵に着こなし、とても団長鈴木と同い年には見えない。しかし買い物になると値切り交渉に入り、それがまたよく成功する。現地にすぐ溶け込んでしまうカメレオン女。海外旅行はなぜか今回が初めて。しっかりしているが意外とオッチョコチョイな面もある。今回の旅の元気一本調子。


魚谷純子
下町娘。魚谷幸子の娘。美術塾研究生。美術塾設立前からに団長に関わっている。線は細いが意外と頑丈、とおもいきや旅半ばでもろくも体調不良に陥る(翌日復活)。絵を描くのがとても速い。朝飯前にサッと一枚、みんなが飲んでいる時にササッと一枚、三度の飯までサササッと描いてしまうほどのスケッチ中毒者。そのせいかイスに座るとすぐ寝てしまう。とにかくカワユイ。今回の旅のマドンナ。


森暢之
広島県呉市出身。頑固一徹食通オヤジ。口が悪く、なぜかいつも強気。シルヴプレはシモブクレだと言い張る。高いレストラン(本人曰く「ふつうの」)にみんなを(特にカズさんを)連れ回す。そんな彼だがパリから家に電話するというカミサン思いの一面も。黙々と大きなトランクを押して旅に参加(中身は何だろう?)。グルメ&ワイン評論家。今回の旅のサバ、タコ、シモブクレ。


カズ
杉並出身。極端に優柔不断で人が良い。しかし団長に言わせると「けっこう不良」らしい。酒と銭湯とF1が好き。ライカのカメラと七色の強烈イビキ(本人曰く、風邪のためノドがやられていた。スマンスマン)の持ち主。旅行前、編集長のポストを外されけっこう落ち込んでいた。いわゆる傷心旅行というヤツか。今回の旅の森さんのけっこう友達。いやはやけっこう。


酒井草平
多摩っ子。神楽坂の三畳一間の木造アパートに住む学生。美術塾モグリ。片言のフランス語とインチキ英語を気合いで話す(レストラン用語は全くダメ)。何かにつけ安く済まそうと隙をうかがっているので森さんとしばしば衝突。パリを知っているようで知らない(地下鉄ですぐ迷う)。今回の旅のケバブ好き雑用係的ツアコン。





ツアコン酒井の個人的旅日記
○11月19日○
 7:20成田で待ち合わせ。いきなり団長鈴木、ツアコン酒井10分ほど遅刻する。  9:20離陸。韓国経由の空の旅。機内食のビビンバは美味い。コチジャン(豆チューブ)を早速お土産にする。機内から魚谷かあさま、チェキを撮りまくりはじめる。原田さん、空から見た富士山を早速スケッチ。スケッチ旅行の口火を切る。
 17:30パリに到着。諏訪さんが迎えに来てくれた。RERでパリ市内へ。あたりまえだが乗客はみんなフランス語。いやはやこんなにフランス語の中に身を置くのは一年以上ぶりである。なぜか一抹の不安を覚える。RER、メトロと乗り継いで市庁舎の裏手のRue des Barresにあるホテル・Maubuissonへ。ここら辺の街並みは、かのオスマン男爵のパリ大改造にあっても取り壊されずに中世的な面影を残している。ボク達が泊まるホテルも古い建物を利用したもの。
 夕飯にレストラン・LA TARTINEに行く。ボクはホテルに20時頃に着くという仲さんを待つ。が、いつまでたっても来ない。50分ぐらいして諏訪さんから電話。もう放っておいて来いと。あー、良かった、けど仲さんが心配。

○11月20日○
 みんなは午前中ピカソ美術館。ボクは美術館の窓口でみなさんの切符を買ってそのまま喜一団長と宿の交渉に向かう。11月20日から11月22日までのとNoirlacから帰ってきた11月25日の部屋を交渉。なぜできてないのだろうか?とひそかに思う。こういう複雑な交渉は1年ぶりにフランス語を喋る身にはこたえる。交渉中に仲さん合流。森さんだけフォッシーのホテルに移ることになる。荷物を搬送中、ホテル内のエレベーターに閉じこめられる。非常ベルは鳴る気配無し。「Au secours!(助けて!)」と叫ぶ。幸い近くに誰かいて「誰か呼びましょうか?」だって。そりゃそうだ。しかし一緒に閉じこめられたのが森さんじゃ色気もくそのありゃしない、と思いつつ(ま、森さんにとっても同じか)助けを待つことに。数分後無事救助(と言うと大げさだが)される。
ホテルの近所のレストラン・STE BDRで昼飯。店員がとてもサンパティック(陽気)。今考えりゃギャルソンなんてテュトワイエ(「あなた」じゃなくて「きみ」)で話してたなぁ。飯の後、団長はスケッチ、残りは両替&ちょっとした日常品を購入に。先ずはルーブルの地下でお金両替。続いてオペラ座のモノプリで買い物。ボクはシャンプー&石鹸購入。パッサージュ経由でホテルへ。18時に宿屋集合、がトーゼン18時半になる。
 夜はサンミッシェル界隈の料理屋街へ。ボクはケバブ屋に入ろうとするも「もうちょっと上等なトコにしよう」ということで客引きをしていないギリシャ料理屋・Taverne Grecqueに入る。一人頭およそ15ユーロ(約1800円)なり。
 コンコルドまで歩く。はっきり言ってこれは歩きすぎた。西田さんなんか歩きながらぐーぐー寝てた。

○11月21日○
 午前中オルセー美術館見学。
 昼飯はオルセーの中のレストラン(Plat du jourは12.65ユーロ)。
フラフラ宿の方へ戻りつつ(喜一さん、途中でマロンショーを購入)、ボクと仲さんは警察へ。諏訪さんに「パリの警察はなかなか頑固よ」散々脅されていたにもかかわらずあっさりと盗難届が手に入る。なにせ一日仕事になるなぁと思ってたのでラッキー。みんなはノートルダム付近をスケッチ中との情報があったので、仲さんととりあえずノートルダムへ。教会内で仲さんとはぐれる。ボクはそのままPetit Pontをスケッチ(4:20〜5:00)。途中おばさん二人がのぞき込んでくる。「うん、似てるわよ」だって。
 夕飯はザワークラウト屋・Ste. Brasserie de l'Isle Saint Louis。一人頭16.10ユーロ。今夜カズさんが合流予定。よってカズさんがホテルに到着する頃にボクはホテルまでひとっ走り。8時まで待ったが来なかったのでメッセージを書いて再びザワークラウト屋へ。セーヌ川を挟んだ対岸なので大した距離ではない。21時頃ホテルに戻るとちょうどカズさんも到着。近所のカフェで「Welcomeカズ★ホットワイン大会」をやる。カフェではバンド演奏をやっておりとてもにぎやか。この後、グループの男どもはSt Paul近辺のピッツェリアでPizza & Vin。ボク、団長、カズさんが同部屋。この夜からボクはイビキのドルビーサウンドの中で寝ることを余儀なくされる。特にカズさんのは七色のいびきである。いやはや何てことに。

○11月22日○
 午前中リュクサンブール公園で諏訪さんと待ち合わせをしてみんなは画材屋へ。ボクと諏訪さんはSt-Amandのホテルの予約をしに電話ボックスへ。なんとか土曜日のホテルは取れるが日曜日は現地交渉に持ち越される。
 画材屋の後は「パリお上りさんツアー」へ(魚谷親子、西田、原田、仲、酒井)。先ずはモンマルトル。Abbessesで降りようと思ったが仲さんの希望により、Pigalleで降車。ムーランルージュをみる(もちろん外観だけ)。そこからモンマルトルへ。途中偶然にも映画「アメリ」のカフェに出くわす。サクレクール寺院、ワイン畑、Lapin agileへ。Lapin agileあたりで自然とみんなスケッチにとりかかる。ボクもここを気合いを入れてスケッチ(12:20〜13:55)。描き終わると寒くて震えがくる。描いている時は集中しているせいか大丈夫なのだが、画材をしまい始めると寒さがいっぺんに襲ってくる。昼飯は各自適当に済ます。次なる目的地はわれらがエッフェル塔。んでスケッチ。ここは割りと短めに済ますことにする(スケッチ時間30分ぐらい)。トロカデロ宮をとおってそこのカフェで一休み。さあさあ続きましては、かのシャンゼリゼ通り。メトロの駅シャルルドゴール・エトワルでおりて凱旋門スケッチ(〜18:15)。Monoprix(スーパー)によりつつホテルへ。ホテルで美由紀さん(酒井の友人)・ヘレンさん(美由紀さんの友人)と待ち合わせ。夕飯は森さんご推薦のサンドニのFLOに。予約も何もせずに行ったのでさあ大変。しかも我々は12人という大人数。誰かが「座っちゃえ」と言ったらしい。店側も21時半までに出るということで入れたということだ。これが後々大変なことに。まぁ、高いだけあって美味いこたぁ美味かった(一人頭約30ユーロ)。がギャルソンは目に見えてせかしてるし、何せ気が落ち着かない。美由紀さんにさっさと注文してもらう。とこれが森さんと諏訪さんの気に触れたらしく、後でボクが責められることに。ふー。双方曰く「まず女の人が注文するのはおかしい。その結果店員になめられた」、諏訪さん曰く「ここは森さん推薦なんだから森さんを立てなくてはダメよ」。森さんはみんなが出てもしばらくレストランのなかでどかないで頑張っていた。んー、ゆっくりするんだったら予約ぐらいしといてほしかった(`^´)。ヘロヘロになって宿屋に帰る。昨日ホットワインをのんだところで美由紀さんも交えて再びホットワイン。やっとホットした。

○11月23日○
 朝飯を食って即出発。オステルリッツ駅からSt-Amandへ向かう。向かい側に座ってたフランス人のおばさんと一緒になる。興味深げにボク達の日本語会話を見ているので、なんとなく話しかけるといろいろ話が弾む。カトリーヌさんといい、親戚の家に行く途中だそうだった。それも驚かそうと何も言ってないらしい。んーフランスチックな演出である。Vierzon villeで乗り換え。団長、ずんずんと線路を横断。駅員に凄い勢いで怒られる。あやうく一人頭600ユーロの罰金を課せられる所だった。んもう、気をつけて喜一さん。
 Hôtel de la Posteに着いてまずは次の日のホテルを予約してもらう。やりとりはいろいろ複雑。昼飯はここ。これが美味かった。前日の風呂(FLO)より断然良い。ホントに。それから各自St-Amandの街をスケッチ。20時ごろにホテルに集合。スケッチ講評会が始まる。力作揃いで見ごたえ十分。他人が描いたものを見るのは勉強になる。森さんカズさん以外はホテルで事前にスーパーで買った物を食べる。こういうシンプルな食事もいいなぁ。

○11月24日○
 ホテルで朝飯を食った後、Hôtel de Noirlacにタクシーで移動。到着後取りあえず部屋の調整。いざAbbaye de Noirlacへ。片道4キロ弱の道をてくてく歩く。ノアラック修道院は団長一押しなだけあった。なぜこんなにも素朴なデザインの建物が荘厳な存在感を持ちうるのであろうか?いや、建物だけではない。この建物に漂う空気、差し込んでくる光の一筋一筋までもがなにかをうったえかけてくる。しばし静寂に耳を傾ける。
 昼飯。森さんカズさん以外は昨日スーパーで買ってきた物を外で食べる。午後もAbbaye。14時〜17時まで絵を描く。燃えるような夕焼けを背にホテルへ。あたかもAbbaye de Noirlacがボク達の訪問を歓迎して「また来い」と壮大なお別れをしてくれているよう。団長、「予定変更できない?明日もここにいようよ」と言い出す。また始まった。
 夕飯はマクドナルド。毎度のことながらカウンター内はパニックそのもの。で長蛇の列。こんなんだと日本では文句ブーブーになるのにフランス人は全然気にしない。なんでかなー。そこで陽気なおばさん&家族に会う。なんでもイトコが韓国人と結婚したということでアジア人に対して好感的らしい。「えー、明日帰っちゃうのー!なんて残念!手紙チョーダイ」といって名刺をくれた。どうやら芸術関係の人らしい。

○11月25日○
 朝、魚谷かあさんが部屋に来てマドンナ魚谷の具合が悪いとのこと。急きょタクシーを手配。魚谷親子、森さんにタクシーでSt-Amandの駅まで行ってもらうことにする。魚谷さんホントに調子悪そう。実はボクも調子が悪い。うっぷ。三人以外は歩いて駅へ。以外と時間ぎりぎりに着く。
 10:20 Bourges着。あいにくの雨。取りあえずみんな中心街までタクシーでいく。観光案内所で荷物が置ける所や魚谷さんが横になって休める所を聞き出そうとするが皆無。しかも駅ではテロ対策を理由に荷物が置けなくなってた。しょうがなく大荷物を背負いながらカフェへ。そこに少々とどまってまた移動することにする。今度はもっとシックな感じのレストラン。暖炉があり確かにシックな感じ。いろいろ四苦八苦しながら昼飯を注文し、14:30頃に魚谷さんを駅にタクシーで送ってもらうように店の人に手配してもらう。ボクは飯を食って街へ。カテドラルは見るが、後は体の調子が悪かったのでとぼとぼ歩いて駅へ。駅で待ち合わせの時間(17:30)までうつらうつら。体の芯まで冷える。帰りの電車がものすごく温かく感じる。Maubissionに帰っても食欲がわかず、そのまま就寝。この日は一枚も絵を描かずじまい。

○11月26日○
 午前中自由行動。ボクはPont Marieを描く
12:00 ホテルのロビーに集合、その後諏訪さんご推薦のレストランへ。
    昼食後自由時間
17:45 ホテルのロビー集合、18:00空港へ出発
21:20 日本に向けて離陸
 という予定だったがお昼にホテルに帰ってみるとストでヒコーキが飛ばない!テンヤワンヤの大騒ぎに。森さんJCBに走る。原田さん西田さんはこの日のうちに帰りたい。しかし西田さんはすぐ諦める。原田さんも一度は諦めたものの、やはり帰りたいということで、ボクと二人で空港へ急行。出たとこ勝負に出る。リヴォリ通りでタクシーを拾い160キロで飛ばし空港へ(32.20ユーロ)。この間に森さんカズさんは☆☆レストランへ、それ以外のみなさんは諏訪さんお勧めのレストランへお食事。んー。空港に着くと入り口のすぐそばに大韓の臨時カウンターがあり、そこで交渉。証明書をもらいOK。原田さんはその日の23:25発のAFで帰国することに。めでたし。でも一応念のためにAFの出発ロビー(Hall F)を見学。パリに一度帰ることに。でもパリの交通はストで混乱。結局タダでホテルまで帰れる。するとちょうど喜一さんと諏訪さんに出くわす。原田さんとケバブを食べにサンジェルマンへ。おごってもらう。わーい。そのまま本屋へ行く。昔のパリの写真とオスマン以前のパリの地図がセットになった本がありちょっと値が張った(32.01ユーロ)が購入。ホテルに帰ってスーパーで買ってきた物を食べる。19時半頃原田さん、いそいそと帰路につく。

○11月27日○
 午前中自由行動。ボクはRue des Barresを描く
 12:00 ホテルのロビー集合&出発
 最初Air Franceに行き昨日JCBから提示された予約番号を提示するも「これはうちの予約番号じゃない。大韓に行け」と言われ大韓航空に行く。大韓の臨時カウンターで予約番号を提示すると今度はOK。でも係のお姉さん、客の応対に焦っているせいか早口。こっちも必死になって聞く。なにか見つからないらしく係の人が何かを探しに行く。団長、この間にカウンター内に侵入。帰ってきた係の人に怪訝な顔をされる。いろいろやってたら3時過ぎになってしまい、荷物のチェックを最寄りのカウンターで済ませ、大荷物を持って搭乗口まで走る。
 15:35 CDG離陸予定が悪天候(霧)16:25にずれ込む。結局一時間近く待つことに。
 18:05 FRA(フランクフルト)に到着
  団長とツアコン酒井の相撲勝負。一勝一敗。
  鈴木喜一○酒井草平● 決まり手/上手出し投げ
  鈴木喜一●酒井草平○ 決まり手/首投げ
 19:55 FRA離陸

○11月28日○
 14:25 SEL(ソウル)に到着
 18:40 SEL離陸
  ツアコン酒井、うれしいことにマドンナ魚谷さんの隣。わーい。
 20:50 NRT(成田)に到着
 21:23発京成スカイライナーで帰路につく。


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