近代建築史への旅スケッチ展2002 プレ企画
一足先に川越のまちを堪能
川越まちあるき+スケッチ会に32名参加し盛況

 近代建築史への旅第13回スケッチ展のプレ企画として、6月2日()に行なわれた「川越まちあるき+スケッチ会」には、関東近県を中心に、スケッチ展出品者や神楽坂建築塾塾生、地元の絵画教室メンバー、更にネットで参加した人など32人が集まりました。

 10時に東武線川越市駅に集合した一行は、地元実行委員の仲澄江さんの挨拶の後、高橋祐子さんから特製マップでコースの説明を受けて出発。最初に旧六軒町郵便局(現在レストランに再生)へ。これは1927年築の木造二階建ての郵便局庁舎をいったん材木会社の事務所に再生、1997年に国の登録文化財となった後、更にレストランに改修された、「再生建築の代表格」と呼べる建物。参加者は「やはり建物は使われてこそ生きる」「こういう建物がオシャレだという意識が若い人にも広がっているのがいい」と語り合いました。
 続いて、川越女子高校の明治記念館へ。通常は立入禁止ですが、高橋さんのご尽力で特別に見学が許可されました。90歳を超えた白い下見板の洋館は、実は東側半分が礼法室としての和室になっています。進む老朽化の中で、OGらの保存運動の結果、降幡廣信氏の設計で修復が実現、見事に生まれ変わった記念碑的建築でした。

右上写真・川越女子高の記念館を見学
右下写真・旧六軒町郵便局


 旧川越織物市場は、女子高記念館とほぼ同じ1910年に建てられた織物集結用の市場建築。マンション建設のために解体されそうだったところを地元の有志が裁判に訴えてストップさせている係争中の物件。解説をお願いした藤井美登利さんが「ようやく市が買い上げる方向で決着しそうです」と説明。ビルの谷間にありながら、まるでタイムスリップしたかのような不思議にノスタルジックな空間です。「実際に三国連太郎の時代劇のロケにも使われたんですよ」と藤井さん。八幡製鉄が最初期につくった波板鉄板や見事なケヤキの鏡板など貴重な素材をきちんと修復し、市民の財産としての一刻も早い公開が待たれます。

 

左上写真・旧川越織物市場を見学
左下写真・日本聖公会川越基督教会


 更にメンバーは大正ロマン通りを北上し、ギリシア風のオーダーが並ぶ川越商工会議所(旧武州銀行川越支店/1928年築/登録文化財)や蔵づくりの商家を見学。重厚なレンガ造の日本聖公会川越基督教会(1922年築・登録文化財)では内部も見学させていただくことができました。
 中成堂歯科医院(1913年築)は、大正初期のトラス構造を含めた純粋な洋風建築でしたが歯科医としてはずっと使われずにいた建物。しかし近年、この建物をきれいに修復して歯科医院として復活したものです。パステルグリーンの瀟洒な外観に「ここなら歯医者に行くのも楽しそう」と語る参加者も。メインストリートに出てあさひ銀行川越支店(旧八十五銀行本店/1918年築)と旧山吉デパート(1936年築)まで歩いて、まちあるきを終えました。

 午後は各自自由にスケッチを開始。16時の集合時間まで思い思いに筆を走らせながら、近代建築との対話を楽しみました。【Y】

右上写真・あさひ銀行川越支店
右下写真・中成堂歯科医院

  
感想とスケッチ作品

▲有地 訓さんの作品

▲平原 匡さんの作品

▲渡邉義孝の作品

◆本日は暑い中色々とお世話になりありがとうございました。日頃見慣れている川越の街を皆さんと一緒に回って見ると知らなかった歴史や見過ごしていた素敵な建物を新たに見ることができ、川越の町並みの良さを新たに感じることが出来る一日となりました。この様なスケッチ会に参加するのは初めてでスケッチにも慣れておりませんので、苦戦しましたが、良い経験となりました。【内田小百合】

写真・スケッチ会終了後の記念撮影

◆川越は何度か来ているが、普段見られない建物が見られて良かった。川女(川越女子高等学校)、美しかった。【青山恭之】

◆スケッチの時間は少なかったけれど、午前中の町歩きがとても良かった。ガイドブックなどよりも建築としての見方など勉強になりました。立派な蔵などは意外と迫力がありすぎて絵にしようという気にならず、建築物そのものの存在感がすばらしい。【天野雅子】

◆正直言って川越がこういう町だとは知らなかったです。石川町(元町)や京都へ行ったことはありましたが、また、近くに魅力的な町があることを知り、再びスケッチをしに来たいと思います。自分は建築とは無関係な者ですが、次の機会もよろしくお願いします。【上林礼和】

◆川越に住んで35年ですが、女子高には門より入れなかったので建物を見ることが出来ずにいましたが、今回は思いがけない収穫でした。多くの方と会話もでき、充実した一日でした。ありがとうございました。【馬場文衛 ギャラリー櫟】

◆生まれて初めて川越という土地に来ました。以前より興味がありましたのでとても楽しみにしておりました。思っていた以上に街がにぎやかで驚きました。蔵をスケッチしているとあまりの細工の細かさに恐れ入ってしましました。職人の根性がうかがえます。【大西宏美】

◆川越は今回始めて訪れた。以前から行ってみたい街だったのでとても楽しみだった。日曜日という事もあり、案の定蔵造りの街並みは観光客で賑わっていたが、ちょっとした路地は昔ながらの風情がまだ残っているところが嬉しい。いつも思う事だが、歴史的建築物を残そうと活動している人達のパワーには、圧倒され、頭が下がる思いがする。地主・不動産屋・行政いろいろなものと闘い、そして裁判…… 想像を絶するような気苦労があるのだろうが、その力が沸いてくる原動力も、その建物が持っている魅力で、改めて当時の職人達の凄さを感じられずにはいられない。織物市場は、次回は修復後の姿を観に行きたい。夕方解散後、大西さんと菓子屋横丁に行った。途中、青山先生と偶然合流。人も沢山いてちょっとしたテーマパーク? ”ヤキイモアイス” おいしかった(^o^)ちなみにお土産は”イモソウメン” 味見は未だです。【仲 美恵子】

◆川越は5回訪れていましたが、今日、案内されて廻ったところは初めてのところが多く、「これはいかん! これからももっと馳せ参じなければ」と思いました。今日スケッチできないところは又訪れたいと思います。【甲口 博】


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