近代建築史への旅第17回スケッチ展 ・ WEB展 ・ スケッチ展とは?(趣旨と歴史) 
「自然と文化を大切にするまち津金を訪ねて」山梨



 須玉歴史資料館にスケッチを展示※津金文庫カフェ内にも展示

 近代建築史の旅 第17回スケッチ展は、7月29日(土)に山梨県北杜市にて山梨展がスタートしました。総計89点の作品が会場に並びました。

 

初日に行われたギャラリートークは、予報では雨でしたが快晴となって出品者・神楽坂建築塾塾生・写真塾塾生・大学生合わせて約30名が集まりました。

14時からは会場でもある歴史資料館で「ギャラリートーク」を開催。

【パネリスト】
高橋正明氏:文化資源活用協会の事務局長
山路恭之助氏:山梨県北杜市役所
南雄三氏:建築技術評論家
宮本和義氏:建築写真家
鈴木喜一:鈴木喜一建築計画工房代表・アユミギャラリー主宰

▲会場の須玉歴史博物館

▲約60点の作品が並ぶ

▲1階にある津金カフェにも展示

 藤村式建築須玉小学校の歴史とこれから


左から鈴木、宮本、高橋、山路、南の各氏


▲約30名の参加者が集まった


▲山梨の近代建築写真展も同時開催


▲蔵に見られる鏝絵


▲変わった鏝絵※看板の上部に富士山


▲高台の上にある歴史資料館は町のシンボル

オープニング挨拶

 まず、呼びかけ人代表の鈴木喜一が「1993年に始まったスケッチ展ですが、私が武蔵野美術大学通信課程の講師していまして、学生の課題のスケッチをたくさんの人達に見てもらいたい、そして全国にある近代建築をみなさんに知ってもらいたいと思ったことからでした。このような全国各地で行うようになったのは5回目の高知からです。ここ津金は毎年アユミギャラリーで展覧会をしている南雄三さんから紹介していただきました。」と挨拶しました。

 

近代建築を次の時代へつなげる

 続いて建築写真家の宮本和義氏が「私は20年前にここに来たことがあります。全国の近代建築を見てきていますが、山梨の擬洋風建築といわれる洋館が多くそれぞれのレベルも高い。しかしレベルの高い近代建築壊されている現実があります。今それが全国でどれくらい残っているかは誰も分からない状態にあるので、その資料整理が必要な時でしょう。市民レベルでの調査を全国で行うことが重要で、その為に自分の住んだまちや暮らしているまちを歩いてスケッチをすることでまちを知ることが大切です。」と発言しました。

 

津金学校の遍歴

 次に文化資源活用協会の事務局長である高橋正明氏が「この須玉歴史資料館は明治館と言われていますが、隣に大正館、さらに隣に昭和館というように3つの建物が並んでいます。明治館は明治8年、大正館は大正13年、昭和館は昭和28年に建設され、須玉小学校へ統合される昭和60年まで存続していました。当時明治館は腐朽が激しく取り壊す予定まで出ていましたが、調査の結果日本最古の学校で貴重なものであることが分かり、住民の思い出の詰まった校舎は須玉歴史資料館として保存されることになりました。同じくして大正館は農業体験施設として、昭和館は宿泊所や日帰り温泉がある施設に生まれ変わりました。」と話しました。

 

須玉歴史資料館の概要

 続いて山梨県北杜市役所の山路恭之助氏が「この須玉歴史資料館は藤村式と言われていますがこの由来は明治の山梨県の知事であった藤村紫朗氏の名前から取っています。藤村氏は山梨の近代化に力を注いだ知事でした。入口部分には社寺建築に見られる唐破風を持った屋根があり、屋根には太鼓楼と呼ばれる小さな部屋が突き出ています。外観のカラーは白と青と緑です。2階の天井は紙が貼ってありその様子を小屋裏からみることができます。」とスライドを見せて頂きながら説明して下さいました。

 

学生を巻き込んだまちおこし

 最後に建築技術評論家の南雄三氏が「2004年から津金と関わり始めて約2年になります。この2年間、空き屋が3分の1、独り身のお年寄り世帯がまた3分の1である津金を元気なまちにするためにはどんなことをすればいいかを考えてきました。学生達と散歩をしてこのままの津金を残したまま元気になって欲しいと思うようになりました。そこで学生達に声を掛け、いろいろなワークショップをしかけました。学生達は遊び学ぶ事で、津金の四季のすばらしさやまちの人の温かさを感じ、まちの人も元気のいい学生達と話したりイベントに関わることで元気ができました。まちの人達と学生達が一緒に行ったのは、そうめん流し、リンゴ収穫祭、針供養と古民家復元など盛りだくさんで、今後もたくさんの活動を通じてこの津金と関わっていきたい」と話し、ギャラリートークを締めくくりました。

 まちあるき

 漆喰が塗られていない土蔵や蔵の妻面に描かれた鏝絵などが目を引きます。一方田園と山に囲まれた自然の中にいると小さい頃遊んだ場所にいるようだと感じている方もいました。
 まちあるきの後、須玉歴史資料館の中にある津金文庫カフェで懇親会を行いました。途中で学生達によるワークショップの報告や、自分達で制作した津金CMの上映を行い学生達が楽しく自然に津金に関わっていることが分かりました。日曜日は参加者各自スケッチをし、昼食は学生達制作による立体流しそうめん大会でした。螺旋状にまわる流しそうめんは参加者には好評であっという間に用意してあったそうめんを食べ終わりました。最後にスケッチの講評会を行い、オープニングツアー無事終了しました。

▲さまざまな意匠が施されている豪家

▲土壁塗りの蔵

▲猛暑で日影を探しながらのスケッチ

 

▲津金カフェでの懇親会

▲螺旋状の流し素麺

▲最後にスケッチ講評会で締めくくられた



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