第五期神楽坂美術塾 銚子スケッチ会報告ページ

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 2005年3月19日から20日にかけて、第五期神楽坂美術塾のカリキュラムの締めくくりとして、銚子一泊スケッチ会が行われました。銚子市といえば、ヤマサ、ヒゲタなど江戸時代から続く醤油造りと大きな漁港を背景にした漁業が中心の町。ゆったりと流れる利根川と太平洋に囲まれ、素朴でおおらかな雰囲気の漂う魅力的な町です。今回の小旅行には、塾長以下16名が参加しました。             
文・太田尚宏 



3月19日

 集合は銚子駅に12時。昨年とはうって変わって春の暖かい陽射しが降り注いでいた。銚子といえば醤油。天候の良さも手伝って、先着組は待ち時間を利用してヒゲタ醤油の工場見学に向かった。先導は、魚谷幸子さん。昨年に続いて今年もツアーのコーディネートをしていただいた。僕はといえば、工場見学ならもれなくついてくる試食をひそかに楽しみにしながら・・・。灯籠のような造りの門は、江戸時代から続く老舗であることを伺わせるが、工場はとても近代的。しかし、今日は土曜日でお休みのため工場は動いていないとこのこと。しかも試食もないことがわかり、残念!!香ばしい醤油の香りを楽しみながらの醤油造り見学はまたの機会ということになってしまった。それでも醤油造りの様子を撮影した映画や巨大フレスコ画を拝見し、ヒゲタ醤油「本膳」のお土産をもらったので少し納得。

ヒゲタ醤油

ずらり並んだヒゲタ製品


 銚子駅に戻った僕たちは、他のメンバーとも無事合流し、一両だけの赤くてかわいらしい電車、銚子電鉄に乗り込んだ。まず、目指すのは地球が丸く見える丘。3連休ということもあって中は超満員、車内で切符を買うことになっていたので車掌さんは大忙しだった。犬吠駅で下車すると銚子名物「ぬれせん(湿った食感のしょうゆ味のせんべい)」をもらって(一日フリーパスを買うともれなくついてくる)かじりつつ歩いた。地球が丸く見える丘までの道のりは、一面のキャベツ畑。茶色の地面に丸い緑色が点々、点々、点、点、点。こんなにも続くキャベツ畑を僕は今まで見たことがなく、時間があったらここらでまずは1枚、というところであったが、「地球が丸く見える」というキャッチの誘惑には勝てず、そのまま先を急ぐことにした。

この赤い電車にのって地球が丸く見える丘へ

キャベツ畑と風車の風景が印象的

 地球が丸く見える丘の展望台に上ると、銚子が海に突き出しているところに出来た町だということが良くわかる。周囲270°が海。北側は銚子の市街地。西側には屏風ケ浦(高さ40m〜50mの切り立った断崖が10キロメートルも続いているらしい)。あとは全て海だった。この風景には、美術塾のメンバーも皆、満足そうな顔。ここで最初のスケッチが始まった。塾長も修了証のスケッチを始める。わずか1時間あまりで12枚描きの早技。さすが!! 展望台は風が強かったので乾かしている修了証が飛びそうになることもしばしば。でもその風のお陰で乾きは早かった。

 
 1時間程で展望台からの風景を描いた塾生達は、めいめい好きな路を通って今回のお目当ての外川の町へ移動した。外川は銚子電鉄の終点。小さな漁港のある港町だ。海に面した坂の上に昔ながらの民家や船宿が残っていて細い路地の上を子どもたちが遊んでいた。懐かしい風景。防波堤では釣りを楽しむ父と幼い兄妹、海が太陽の光で金色に輝いている。どこを描こうかと迷ってうろうろしていると草道さんや鈴木悠くんにばったり。その後直ぐに魚谷幸子さんや塾長たちにも出くわす。他の人達もなかなか決めかねていたらしいのだ。そんな中でも中川弘さんは、大谷石の倉に魅かれてじっくりと描いていた。結局、子どもたちが遊んでた路地が忘れられず、遊び声や家の中から子どもたちを呼ぶ声が、響き渡る中、スケッチした。

 

外川駅

スケッチを終えて電車の中でホッと一息

 スケッチを終えた塾生達は、銚子に戻って大新旅館に集合した。今回は神楽坂写真塾と合同のツアーということで夕食時は塾長の大橋先生や、写真塾の塾生も大広間で顔合わせ。美味しい海の幸をいただきながら、自己紹介を兼ねて恒例の講評会を行った。大広間なので遠くにいる人の作品が良く見えないと、作品の前にかじり付く土井さん、上田さん、板井さんらのプレッシャー攻勢あり、じっくり腰を据えて描く絵と瞬間で勝負する写真の違いが良くわかり面白かったという、写真塾の方々のコメントあり、いつもとは違う夕食兼講評会となった。

写真塾のメンバーと

外川の夕日を描いた魚谷純子さん

かじりつき隊のプレッシャー

塾長のスケッチ入り修了証



さて次の日・・・