誰にも見えやしないけれど光が静かに流れてる
光ファイバー(B-flets)が
アユミギャラリーにやってきた Vol.2

望月祐志(YM)×鈴木喜一(KS)

KS● モッチー、アユミギャラリーの地下(神楽坂建築塾・同美術塾の教室)でワークショップをやるって、どういうこと? 高橋ビルのB2には光ファイバ来てないじゃない?

YM● ま、B2に直に光回線を引くっていうのは、次のステップだと思うんですね。今回は、工房のルーターから、特注品のLANケーブルでB2まで伸ばしてワークショップをやらせてもらいます。www.ap-d.netがサイトなんですが、デジタル写真、それにWebに関するものでして、内容的には高速のネット接続が絶対必要なんです。メインには、写真家の小林のりおさん(木村伊兵衛賞受賞)を据え、評論家の大嶋浩さん、若手作家の高橋明洋さん、佐藤淳一さん、丸田直美さんが絡んでいくという布陣。私はコーディネータをしてたりします。(笑)

KS● へえー、そんなことできるの。なんだか、顔触れもおもしろそうだね。僕もそのワークショップに参加 していいのかな?

この対談はインターネットを経由したバーチャルコミュニケーションであり、「Vol.1」の続編となるものである。

www.ap-d.net……小林のりお氏らが12月21日に行うワークショップ。


▲アユミギャラリーの背後に建つのが高橋ビル。

YM えぇ、お時間、よろしければ、是非、ご参加下さい。コーディネータモードの私としては、デジタル写真をやってる人、あるいはWeb好きばかりではなくって、いろいろな方が参加して、ちゃちゃを入れてくれたりする方が広がりが出ていいと思っています。

KS ちゃちゃは得意だ。ところで、モッチーが来たら質問しようと思ってたのだけれど、光ファイバって思っていたより速くないね。それって僕のパソコンに関係あるわけ? 

僕のパソコン……Power Macintosh 7200/120のこと。「さまざまなアプリケーションを使用する場合に最適な、お求めやすい価格と高い処理能力を兼ね備えたコンピュータ」であることは間違いないが、それは1996年発売時のこと。120MHzのクロック周波数は、今となっては……。

YM あ、それはですね、全く同じルータ(某N社製)で、私はWindows-Xp/Pentium-4なのですが、何も調整してなくても、ごくフツーに20-30Mbps程度、最高では50Mbpsは出ていますので……、少々申し上げにくいんですけど、今、所員の方がお使いになってるMacがネックになってるかも……、ですねぇ。(笑) 1つは、CPU速度の問題、もう1つは、LANカードが100Mbps仕様になってるかどうかということ(古いMacでは10Mbps仕様かもしれません)。あとですね、MacではOS Xに最初から対応してるようなものでないと不利らしい……、というのは聞いたことがあります。(笑)

KS とりあえずこの程度の速度で十分だけれどね。あまり速いと目が回っちゃうか。

YM はは、そうかも。(笑)ま、現マシンでも5-8Mbpsは出てられるようですし、それでもISDNに比べれば100倍以上になってますので……。

KS ウェブ、デジタル写真の今を思考して、これからの方向性というのはもう明確に出ているの? 僕みたいに相変わらず一眼レフのアナログじゃあ、もう時代遅れということになのかな?  まあ、それでも構わないのだけれど。
 

 

所員の方がお使いになってるMac……Power Macintosh 7300/180。上記とそんなに違わない。

 

OS X……おーえすてんと読む。「UNIXの岩のような安定性とMacintoshの使いやすさを組み合わせた最新のシステム」であるが、当工房では誰も使っていない。

YM どうなんでしょうね……、私自身は科学が本業で、アーティストというか、写真の勉強を系統的に受けたことがないので、ちょっとその辺のところは、私からはお答えするのは難しいですねぇ。ただ、残っていくと思うんですよ、CDが出てもアナログのレコードってずっとあるわけですし……。今の時点では、速度と経済性ではデジタルが圧倒的に有利ですが、例えば、大橋富夫先生や畑亮さんが撮るような建築写真……とか無理だと思うんです、やっぱり、解像度もレンジもあの質感を満たすまでは取れないようですし。それこそ、こんな話題も、21日の当日には出るんじゃないかと。あと、方向性ですが、どうなんでしょうね。当日に見ていただけるはずですけれど、高橋さんや佐藤さんは"ぶれや流し"のような画面で新しい表現を探ってるようですし、丸田さんはNASAの宇宙写真とかを編集して作品にする試みをしています。

大橋富夫……写真家。1961年大橋富夫建築写真事務所設立。主に建築専門誌(海外を含む)に掲載される写真を撮りつづける。出版、連載多数。日本写真家協会会員。最近は鈴木喜一とともに地球規模で探検ツアーを行なっている。

 

 

NASA……アメリカ航空宇宙局。いろんなロケットを飛ばしているところ。

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