鈴木喜一建築計画工房
[新築] File no.02

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松浦邸

■所在地/静岡県
■種別/新築
■構造・規模/木造1階
■設計/小杉茂夫(建築事務所コオプラン)+鈴木喜一
■施工/翌桧建設
■1986年竣工

photo/ アトリエR


▲外観

[Photo]竣工写真


▲中庭からみる


▲中庭へ続くウッドテラス


▲アプローチ部分


▲玄関


▲居間


▲食堂


▲食堂からテラスをみる


▲テラスから食堂を見る


▲和室


▲寝室


 焼津で歯科医院を開業するMさんは、アメリカ西海岸風の平屋の家がいいと言った。大きなテラスが欲しい。デッキチェアに寝ころんで木を見ながら日だまりを楽しみたい。陽気なMさん夫婦には、仲間が大勢いて、港からあがったばかりのおいしい魚を持ってくることが多い。庭からテラスに上がって台所に入ってもらう。それぞれが勝手に料理する。ダンスもしたい。だから皆が集まっても肩の凝らない広いオープンな家がいい。正式な客室としての和室も欲しい。  Mさんが用意した敷地は約 290坪、焼津市郊外の静かな住宅地であった。自分の医院からも近い。家族だけでなく仲間も気軽にこれるのびのびとした家という要望は70坪を軽く越えてしまった。計画は、恵まれた敷地を利して三つの庭を配し、どの部屋も自然と密接につながるように考えていった。  南側の大きな庭は、仲間と光と風が自由に入ってくる健康的な庭になった。この庭に接して、板張りの広いテラスを設けた。LDKや子供のプレイルームに囲まれるように作ったテラスは、深い軒を出して家の中の延長として使える空間とし、冬の陽差しを入れるために一部をガラス張りとした。  このテラスができた時、Mさんは、早速デッキチェアを出して庭を眺めて楽しんでいた。「庭には芝生を張ろう」と私達に提案した。  北庭は玄関と居間に面し、樫の木の回りにレンガを敷いた落ち着いた庭となった。東庭は夫婦寝室、食堂、家事室によって囲み、テラスのある日常的な庭とした。この庭には、奥さんの好きな椿が植えられた。この二つの庭に面したガラスの一部には、手吹きガラスのさりげないステンドグラスが庭の自然を揺らしながら映すことになった。【鈴木喜一】

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