鈴木喜一建築計画工房
[改修] File no.38

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天野邸

■所在地/神奈川県
■種別/改修・木造2階
■設計/鈴木喜一建築計画工房
■施工/千葉工務店
■2001年竣工
■外壁/弾性リシン 内壁/シナ合板,珪藻土 床/ナラ,杉■掲載雑誌/月刊『ニューハウス』2002年9月号

▲photo.by 松本保氏

[Consept]3つのコンセプト

天野邸では、築33年の木造住宅の内部改修工事を行なった。施主の要望に基づき、鈴木喜一建築計画工房では、3つのコンセプトをかかげ設計に取りかかった。

3つのコンセプト
絵の飾れる壁面」……どこにでも絵画が飾れるように壁面を厚さ5.5ミリのシナベニアで構成し、壁面、天井面ともつや消しの白ペンキで仕上げ、壁面にはスポット照明を装置し、さながら画廊のような空間となっている。

明るい部屋」……改修前の居間はとにかく暗かった。それを解消するため、施主からの要望は「できるだけ窓を大きく」、「できるだけ天井を高く」というものだった。解体作業を待って、物理的、構造的にどこまで可能か慎重に検討し、大工さんとの二人三脚によって実現することになった。

使える物の再利用」……当初の間取りを残す方向で計画は進められたが、居間の間仕切り壁だけは全て撤去した。居間に取り残された柱は、空間のアクセントとしてだけでなく、改修の記憶として居間を演出することになった。再利用した主な部材は、和室の絞り丸太、大半の柱や梁、玄関の下駄箱等がある。

 

 

[Photo]竣工写真  

上左/居間東側の和室(6畳)。床柱は既存のものを再利用。畳/琉球畳 壁/珪藻土塗 天井/和紙貼
上右/和室をアトリエへ改修。床/杉無垢フローリング貼

左/施主自作の和室南側の坪庭。
右/居間から続くウッドデッキ。建物の内部と庭をつなぐ。

 

左/軒裏を現し、天井高を上げた居間。間仕切り壁を取り除き、構造上必要な柱を残した。壁面はすべて厚さ5.5ミリのシナ合板を貼り、つや消しの白色で統一感を持たせ、絵画を飾れる展示空間として使用できる配慮がされている。窓からは一日中日が差し込む、明るい空間が生まれた。


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