鈴木喜一建築計画工房からのお知らせ

東京→須賀川へ 移築再生民家ネーミング募集
2002.10.15審査結果発表
「遊心楼」に決定しました
詳しくはこちらをごらんください

 東京都大田区上池台にあった1929年築の住宅を解体し、福島県須賀川市に移築・再生する工事が進められています。バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』を思わせるこの再生民家の愛称名を、この度募集することになりました。
 写真と図面でおわかりのように、既存建物は都内としては珍しい田の字型の民家で、別棟式(台所が別)でした。屋根は寄棟を基本とするも玄関部分は突出して入母屋、瀟洒な銅板の庇もついていました。南と西に直角に縁側が巡り、三間続きの座敷が広々とした空間を形作っていました。
 この家は施主と親族の愛着が深く、この度いったん解体し、奥様のご実家に近い須賀川の田園を見下ろす崖の上に移築されることになりました。当然眺めはすばらしく、晴れた日には那須連峰が望めます。縁側と浴室、囲炉裏部屋からの眺めは特筆すべきです。
 敷地条件から玄関は南から北に移動し、水周りは整理するとともに、新たに南東端に囲炉裏部屋を設けました。居間の天井は吹抜けとし、施主お気に入りの大胆な丸太梁は堂々とした姿を見せることになります。こんな家の特徴を表し、また施主や職人たちの古民家に対する思いが伝わるような素敵な名前を付けて下さい。

 愛称の付け方に決まりはありませんが、一般的には「○○の家」「○○亭」「○○荘」「○○庵」などの呼称が用いられることが多いようです。横文字の名前でもかまいません。


最優秀(一点)……玄米一年分(150kg、精米機付)
・佳 作(三点)……豪華賞品を贈呈。
・応募者全員には記念品をお送りします。

応募規定

・応募資格……特になし。一人何点でも可。
・応募方法……
ハガキの場合)官製ハガキに愛称名をひとつだけ書き、住所・氏名・年令・職業・電話番号・メールアドレスを記入し、下記の宛先に郵送して下さい。
電子メールの場合)メールに愛称名をひとつだけ書き、住所・氏名・年令・職業・電話番号を記入し、w_yoshi@ayumi-g.comまで送信して下さい。
・締切…………2002年9月15日(消印有効
・審査…………9月下旬に東京都内において下記の審査員により厳正に審査いたします。
   門倉規之氏(施主)、森のぶゆき氏(コアネット)、保坂公人氏(環境カウンセラー)、
   鈴木喜一(鈴木喜一建築計画工房)
・送付先………〒162-0805 新宿区矢来町114 鈴木喜一建築計画工房「移築民家愛称係」あて
・問い合わせ…e-mailまたは電話03-3269-1202(担当・渡邉義孝)まで。
・発表…………10月1日に本サイトで発表し当選者には直接ご連絡します。また月刊『ニューハウス』誌上でも発表する予定です。


工事概要

・名称/門倉邸移築改修工事
・設計監理/鈴木喜一建築計画工房+五十音設計株式会社
・施工/村越建設株式会社
・構造規模等/木造平屋一部小屋裏倉庫あり(既存)→木造平屋一部ロフトあり(移築)
・竣工予定/2002年9月

▲移築前南側外観。主屋根の下、直角の縁側に添って下屋が廻っている。右端が玄関。

▲移築予定地からの眺め。広がる水田の向こうに那須連峰が見える。

▲移築前の玄関。ここのみ入母屋造り、庇が見える。

▲南北の位置が変わったが玄関の架構はそのまま組み直している。

▲今回の調査で発見された棟札。棟梁のもの(右)の一本奥の柱の裏にかくれるように小さい棟札も見つかった。21歳の息子と思われる名前が記されている。

▲古い梁と新しい垂木のコントラスト。

▲鴨居を丁寧に解体しているところ。もちろん再利用するためだ。

▲移築先。主屋から手前右手に延びる部分が浴室などの水周り。ここの部分はほぼ新築。

▲クレーンを使って梁や軒桁を撤去しているところ。すべての部材に番号をつけ、再利用を前提に移送した。

▲移築後の改修平面図。クリックすると大きくなります。

▲移築前の平面図。反時計周りに90度回転させると右の移築平面に合う。クリックすると大きくなります。


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