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かつて『旅の中の風景』(PMC出版)という画集を出版したことがあった。1980年代の僕の旅の記録の断片であるが、あれからもう10年がたとうとしている。 相変わらず同じスタイルで旅は続けられているのだが、描かれたスケッチは少しずつ自分でも無意識のうちに変化しているような気がする。そして今年の年末年始も旅に出た。2000年の初陽は地球上のどこで迎えることになるだろうと思っていたが、元旦はビルマのマンダレーの岸辺だった。
本展覧会では1991年1月から2000年の1月15日までに旅の中で描きためた水彩画の中から50点、アジア全域から中近東、中米、地中海沿岸まで、最近ではポルトガルの古い街、ビルマのプリミティブな生活風景を描いた作品を展示した。
この水彩画展を開催するにあたり、原画とともに版画(リトグラフ)を制作してみようと考えていましたが、友人で株式会社データフォト社長の榎明人氏に「それならば我が社にあるジクレのデジタル出力にした方がいい」と教えられました。彼の工房で制作過程をじっと観察していて、その出力の緻密さとクオリティの高さに驚きました。材質感、色感、耐久力、全てにわたって原画に限りなく近いものだったからです。今回の水彩画展では原画一作品につき30枚限定とし出力することにいたしました。水彩の再現の難しさを克服し、熱心に作業を進めていただいた榎明人氏と技術者の皆様に感謝致します。また、原画をトリミングして若干の加筆したミクスド・メディア(mixed media)の作品も展示してあります。ご高覧の上、
ご意見をいただければ幸いです。

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