AYUMI GALLERY

1997.04.25 fri. 〜04.30 wed.


小原健吾
小原健吾個展

昨年5月、キャンバスにアクリルを使った絵画展を開いた小原健吾が、今年は油彩で登場する。「やりたいことをやった結果出来上がるものが、作りたかったものとは限らない、と判ったことが前回の収穫でした。DMに使った『赤い夢』と『竹林に迷い僕が見たもの』は思ったようにみんなに伝わったんですが」あとは塗り重ねが重たすぎ、今回は透明色を重ねるのをやめ、印象としてはダークな部分を減らしたという。「絵ったらば、もともと3次元を2次元に置き換えるもの。(美術史がどんな変遷を遂げたとしても)それは継続するっきゃない。ただ3次元がルネッサンス的遠近法で再現される必要はない、というのが基本姿勢、かもね。部屋の隅なんてのは3次元の代表。空っぽの場所や瞬間に興味があります」自らの画風の変遷に対し自覚的取り組みがある点で、若き日のモンドリアンが好きだという。具体的なものが真正面から説明・描写されることに息苦しさを感じ、逃げ出したくなったという小原の自覚的逃走を、今年もぜひ追っかけ廻していただきたい。【中島理慧】

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