AYUMI GALLERY

1999.07.10 Sut. 〜07.21 wed.

高田洋一彫刻展/―彫刻の中に居住まう―
「森の光」

たかだよういち

<略歴>
1956年大阪生まれ。
79年大阪芸術大学美術学科卒。90年文化庁在外研修員としてベルリンに滞在。
屋内の空気で緩やかに運動する和紙で作られた“翼”で作家として歩みを始める。
都市環境での作品では恵比寿ガーデンプレイスの“空からの声”等多数。新作では再び和紙を用い、観客が作品の内部に入る部屋のような作品を発表。観客の作る空気の動きで部屋の天井が揺らぎ、光と影の変化に包まれる作品である。
                                        

それは和紙を通して透過してくる光に包まれた空間。
内部へは和紙に穿たれた穴から光が差し込んでくる。
ふと、見上げると頭上にゆったりと波打つ天蓋に気付くだろう。

それはあなたがこの空間に入り込んだことで、作り出した空気のドラマである。
あなたが呼吸するのと同じリズムでこの空間も息づいている。

和紙の光と空気と、漂う天蓋と、あなたの呼吸が作る瞑想的な時間がここに生まれる。
あなたがこの空間で過ごす様子が動く影絵となって、走馬灯のように映し出される。

あなたの一挙一動が空気のドラマを作り出し、知らず知らずにあなたも作品の一部となる。
これはインタラクティブアートの原種であるのかも知れない。

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