鈴木喜一建築計画工房
[改修] File no.63

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風雲泉城(千早の家)

所在地/東京都豊島区千早
種別/改修・木造3階
設計/鈴木喜一建築計画工房
(担当:鈴木喜一、中原早季子)
施工/森住徳一+ヒノキクラフト+セルフビルド

写真/田倉京

創建/2000年
改修/2011年

 

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鈴木喜一×泉城主 対談

 
喜一山●今回の改修工事はどのような経緯で始まったのでしたっけ?確か7月下旬に電話がかかってきたと記憶しているのですが、、、
泉城主●はい、お電話しました。中古物件を手に入れることになり、ステキな空間に手直ししたいのですが、どなたかいい大工さんか工務店さんを紹介していただけないかと。。。
喜一山●そうでしたよね。まず、「家を見ないと」と言って、さっそく見に行きました。そこでいろいろな要望を聞きました。そして蕎麦屋でいっぱいやりました。
泉城主●はい。お願いする改修内容を考え、家具の配置や調達について考え、自力で何ができるか考え、まさに興奮状態が始まりました。建物のことや空間のことを考えるのは大好きだったけれど、それが自分の城となると楽しさは格別だと気づきました。あ、蕎麦屋で『風雲泉城プロジェクト』と命名したんでしたね。これは私ではなく夫の案ですよ。
喜一山●そうでした。夫の命名ならそれが一番いいよね、とすんなり決まりました。それから僕としては、
☆役者を固める
☆S・F・C を導入
ということを考えました。
【これは使うぞ☆リスト】の作成も城主にお願いしましたね。
泉城主●おっと、今更、S・F・Cってなんですか?相撲・フラメンコ・コンビ?
喜一山●間違えた。F・S・C です。FSC=ファニー・サベージ・コンフォタブル
泉城主●そうか、成田東S邸の時に力説していたカンチャンチャラスタイルのことですね。
そして、翌週はとうとう森住大工の登場ですね!
喜一山●小松大工にしようか、森住大工にしようか迷ったのですが、小松大工が忙しそうだったので、一水寮、早稲田スコットールギャラリーと続けて一緒に仕事をしていた森住徳一さんを起用しました。
泉城主●いやー、森住さんの大工の中の大工という雰囲気に胸躍りましたよ!そして、喜一山と森住さんのやりとりを理解しようと必死で内容を聞いていました。
喜一山●そうでしたか。プロの大工をどんなふうに思いましたか?
泉城主●実際お仕事を拝見するまで、ソロで活動されているというのがピンとこなくて。ずいぶん大きなものを扱うのにね。そして、朝から晩までお一人でもくもくと作業されていて、気力と体力がハンパないな、と。
喜一山●そうなんです。フラメンコダンサーの城主にも通じるところがありますか?
泉城主●フラメンコダンサーも、気力&体力勝負ではありますね。日々もくもくと練習をしますが、生まれた瞬間に消えてしまう一瞬の空気のために練習するんですね。形に残らない。でも、『空間や空気を作る』というところが、建築家や大工さんと共通していますね。喜一山のお仕事もそこが醍醐味ではないですか?
喜一山●そうですね。僕の場合、空間ももちろん大切ですが、どちらかというと空気をつくることに興味があるみたいですね。まず空気感をつくって、その空気で形をつくって、その形をもって、波紋してゆくというか、伝搬してゆくというか、染みこんでゆく空気をつくる、というような、、、あれっ、わけがわからなくなってきたぞ。
泉城主●おやおや。つまり、C=コンフォタブルですね。
今回、楽しいと感じたのは、『妄想が2か月以内に現実になる』というところ。妄想は妄想で終わるものと思って生きてきたのに、今回は現実になる、この喜び。そうそう、住みたい家の妄想は2008年冬に建築塾の修了制作でしています。
スタジオがあって、通行人と会話できるほどのオープンエリアとはいかないまでも解放感のあるリビングがあって、なんとなくコンセプトは近いのかなぁ。
喜一山●ほんとうにいい形になりましたね。城主はまだ建築塾の仲間ですから、今期の修了制作で今回の妄想→現実を発表してくださいね。
泉城主●はい!がんばります!


photo.by 田倉京(http://serranita.exblog.jp/



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