鈴木喜一建築計画工房
[改修] File no.65

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筑西玉戸の家

所在地/茨城県筑西市玉戸
種別/改修・木造
設計監理/ 鈴木喜一建築計画工房
(担当:鈴木喜一、上見浩基)
施工/けんちく工房邑
(担当:對馬英治、伊藤嘉一)

写真/畑 亮


創建/1970年
改修/2011年

 

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庭から玄関への導入路。二階部分の外壁は当工房オリジナルの杉板目板張とした。中央に丸窓。



客間兼仏間。南側に少し増築して空間を膨らませた



風は、南の濡縁から中央廊下、主寝室を経て北庭に気持よく抜けてゆく。



欄間はいったん取り外して再構築。ユーモアのある意匠となった。



手すりは八角形。材種は杉。



階段入口から二階を見上げる。漆喰壁の白と小屋裏のフォレストボードの色彩の対比がなかなかいい。



二階のアトリエ。天井を取り外して小屋裏をカンチャンチャラ仕上げとした。



野性(savage=wildness)との共存。



北側外壁。ここも典型的なカンチャンチャラ仕上げ。記念写真集にはこのカットが表紙になった。



穏やかな夕暮れ。









 

鈴木喜一(KS)×渡辺敦雄(クライアント) 対談

 
AW●母から実家に家の写真集が届いたと連絡がありました。とてもいい仕上がりになったと喜んでいます。よろしくお伝えするように言われています。どうもありがとうございました。
KS●そうですか。お母さんに喜んでもらえて光栄です。ところで少し今回の工事をふりかえりましょうか。
AW●一昨年(2010年)から改修工事のことを考え始め、同級生や趣味を通じて知り合った知人に連絡を取ってみようかと、母に相談しましたが、彼女はいい返事をしませんでした。母が何を望んでいるのか私には想像できず、神楽坂建築塾等でお仕事を知っている先生に連絡を取りました。
KS●そうでしたね。神楽坂から筑西まではだいぶ距離もあるし、経済的なこともあるし、お仕事の忙しいあい間に何度も打ち合わせをしなければならず、形になってきておおよそのメドが立つまではいろいろ不安があったと思います。
AW●はい。しかし、打ち合わせを重ねていくうちに私や母が今回の改修に何を期待し、私たちがどんな生活をして行きたいのかを考える必要がわかってきました。
KS●生活の中での主体性の重さを感じた、ということをよくおっしゃっていましたね。
AW●正直に言いますと、いままで住んだことが無い作りの家に戸惑いと楽しみの両方を実感しています。今はこつこつと自分の生活しやすいように家具を並べています。東日本大震災の後は居間で寝起きしていた母も主寝室のベットでゆっくりとしています。また、植木の移動を初めて庭師さんにお願いし、畑が狭くなることも心配していた母ですが、現場監督の伊藤さんの心配りもあり、生きがいの畑が広く取れたことに満足しているようです。
KS●そうですね。南の庭がすっきりしてのびやかになりました。玄関へのアプローチもとてもよくなりましたね。
AW●工事を終え、私も何度か寝起きをしてみました。副寝室である和室は思っていたより暖かく感じています。障子から抜ける太陽の光は柔らかく、新しい木と畳の香りは随分久しぶりに味わうものです。今は休みのたびに実家に戻り、片づけや整理に追われていますが、やがて春になる頃には新生活を満喫できるだろうと考えています。




すぐそこの

ツクツクホウシの

なき声は

遠くの森に

ひびきたり


(渡辺徳子)


photo.by アトリエR



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